当研究会について

冠攣縮研究会は、虚血性心疾患において極めて重要な病態のひとつである冠攣縮に関して、基礎的、臨床的見地から最先端の研究を行うことを目的として、2006年4月に設立されました。参加施設を全国から広く募り、毎年7月に定期的に開催される研究会にて症例報告、研究発表を通じて情報共有を図ると共に、オンラインデータベースシステムを用いた症例登録により多施設共同の臨床研究を実施しています。また、日本循環器学会学術集会においてはファイアサイドセミナーを開催し、招待講演や、最新のトピックスに関するパネルディスカッションを企画しています。

現在、当研究会は東北大学循環器内科学に事務局を置き、日本心臓財団の助成のもと、熊本大学循環器内科学との共同運営を行っています。研究会への参加に際して規定はなく、新規の参加施設を教育研究機関、市中病院、クリニックを問わず随時募集しています。当研究会に興味をお持ちの医療機関の方々は、ぜひお気軽に事務局までご連絡下さい。

代表挨拶

冠攣縮研究会代表 下川宏明

東北大学循環器内科学 教授

冠攣縮研究会代表 下川宏明(東北大学循環器内科学 教授)

冠攣縮は、狭心症や急性冠症候群、心臓突然死など多彩な心疾患の発症に関与する、重要な病態のひとつです。特に本邦では、欧米に比較して冠攣縮の有病率が高いことが知られており、日本人の虚血性心疾患を語るうえで欠かすことは出来ません。冠攣縮性狭心症を対象とした臨床研究の多くは1980年代を中心に行われ、泰江弘文先生(前 熊本大学循環器内科教授)をはじめとした先駆的研究者らの努力によって、その臨床像や長期予後が明らかになると共に、カルシウム拮抗薬を第一選択とした現在の治療法の確立に至りました。また私自身は、冠攣縮の分子機構を解明すべく、動物モデルを用いた基礎研究に、臨床研究と並んで長年取り組んでまいりました。2008年には本邦における冠攣縮性狭心症の診断、治療の標準化を図るべく、小川久雄先生(現 熊本大学循環器内科学教授)を班長として、日本循環器学会から「冠攣縮性狭心症の診断と治療に関するガイドライン(JCS2008)」が示され、今日の冠攣縮診療の指針となっています。

このような背景がある一方で、冠攣縮には未解決の問題が数多く残されています。長年の疑問であるアジア人と欧米人の人種差はもとより、本研究会が2007年~2008年に実施した「後ろ向き観察研究」からは、冠攣縮を合併した院外心停止蘇生例の管理を巡る新たな問題提起がなされました。また近年、冠攣縮の心筋虚血に伴った心機能低下、いわゆる冠攣縮性心不全の存在についても関心が高まっています。本研究会では、今後もこれらの課題に積極的に取り組むことで、冠攣縮のより詳細な知見を明らかにし、実臨床に反映される有益な情報発信を行っていきたいと思います。

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